2018.03.30 14:00第一章 桜花月団開花物語 一話🌸開幕🌸『めをひらいて』芽を開いて……?いや目を開いて、か。頭の内側から語りかけてくる声。声は途切れながらも優しく聴こえてきた。『貴女の名前は日暮美月』私の名前じゃない、と思った瞬間。その違和感が消えていることに気づく。至極当然のように記憶している自分がいた。声の主は高らかに...
2018.03.30 13:30第一章 桜花月団開花物語 二話🌸華麗な少女 桜は舞って🌸里舞「美月! 下がって!」美月「えっ!?」美月は疑問に思いつつ後ろに飛ぶ。自分が思ったより跳べたらしく、驚いたのも束の間。前……否、空から星が降ってきた。それは里舞の足元に着弾し、煙が立つ。煙が空気中に溶けていったときには、魔法使いのような帽子を被っ...
2018.03.30 13:00第一章 桜花月団開花物語 内幕🌙欠ける記憶 雲隠れ🌙 それはまるで、記憶が雲によって隠れてしまっているようだった。紫さんと話しているとき、里舞さんと話しているとき、それ以外でも感じていた違和感。これは“私の話している言葉”じゃない。確かに自分の口から発せられる言葉だし、自分の声に聞こえるし、相手もそう聞こ...
2018.03.30 12:30第一章 桜花月団開花物語 三話🌸喜怒哀楽 それと愛憎🌸四人は博麗神社を発ち、紅魔館に向かっていた。その距離は何気に遠かったので、ひとまず休憩と題して人間の里に寄ることに。瓦が積まれた平屋や長屋が通りに沿って並んでおり、蕎麦屋に豆腐屋、お茶屋や居酒屋などたくさんの店が軒を連ねている。美月「ん〜、美味しい……...
2018.03.30 12:00第一章 桜花月団開花物語 四話🌸紅い月 破壊の目🌸レミリア「当たりよ、霊夢」紅魔館から翼を羽ばたかせて優雅にやって来たのは、霊夢の予想通りレミリアだった。水色に光るウェーブした銀髪をナイトキャップで覆い、ピンク色のドレスをふわふわと揺らすその姿は遥かに幼い。霊夢「で、混ざりたいって?」レミリア「そのままの...
2018.03.30 11:30第一章 桜花月団開花物語 五話🌸紅い月 運命🌸レミリア「あなたが私と勝負をするの? 殺してしまわないか心配だわ」怪しく微笑むレミリア。紅い月が反射し、その八重歯に妖美な輝きをもたらす。しかし美月は臆しない。里舞さんに頼まれたんだからしっかりやらなくちゃ、と呟いて頬を軽く叩き、レミリアに向き直った。美月「心...